健康保険法には、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの保険医については、厚生労働大臣が登録取消しをすることができる旨の規定があります(81条5号)。そのため、医師・歯科医師が刑事裁判を受け、禁錮以上の刑に処せられた場合には、刑の執行中あるいは執行猶予期間中、保険医の登録取消しがなされうる一方で、あくまで登録取消しを「することができる」という裁量規定にとどまるため、必ず登録取消しがなされるというものでもありません。
そのため、保険医登録取消しについてどうなるのかは、行政庁(厚生労働大臣)の裁量の範囲内で、どう運用されるかによることになります。ただ、厚生労働省の発表などを見ると、これまでで実際に保険医登録が取り消されているケースとしては、診療報酬の不正請求事案(架空請求、付増請求、振替請求、二重請求及びその他の請求)が大半で、その他監査拒否等が多少含まれているという印象です(厚生労働省HP参照。たとえばhttp://www.mhlw.go.jp/file/04-